ユーミン×帝劇『朝陽の中で微笑んで』【感想】未来の純愛の形がこれか?

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私が敬愛してやまないユーミン嬢の3年ぶりの帝劇に行ってきました。

今回は、ユーミン自身も最も歌唱が難しいと言っている荒井由実時代の名曲「朝陽の中で微笑んで」をモチーフにしたもの。
ユーミンバージョンが公開されてないので、代わりにハイファイセット。

この曲個人的に好きなんですよね~。なんだかやるせない雰囲気というか、テンション下がってる時に聞くと寄り添ってくれるというか・・・

テーマはずばり「時空を超えた純愛物語」

脚本&演出の旦那松任谷正隆さんは、前回に「次のテーマはSF」と公言してましたね。

会場の様子のレポートと自分の感想をご紹介します。


曲目セットリスト&曲の感想


結構マニアックな曲ばかり。多くの客は拍子抜けだったでしょうね。

自分的にはこの暗めの選曲は好きだったりするんですが。

・Age of our innocence(アケイシャ)
・未来は霧の中(OLIVE)
・ランチタイムが終わる頃(PEARL PIEACE)
・砂の惑星(THE DANCING IN THE SUN)
・愛と遠い日の未来へ(POP CLASSICO)
・雨に願いを(POP CLASSICO)
・Now Is On(FROZEN ROSES)
・Called Game(Cowgirl dreamin')
・流星の夜(FROZEN ROSES)
・Autumn Park(ALARM a la mode)
・水の影(時のないホテル)
・朝陽の中でほほえんで(14番目の月)
・PARTNERSHIP(acacia)
・やさしさに包まれたなら(MISSLIM)



客層はアラフィフが多く、ユーミンとともにファンも高齢化してるなあって実感。

出演俳優のファンや芝居好きというより、ユーミンファンが圧倒的に多いみたい。

最後のカーテンコール後、客の拍手にこたえてユーミンが登場し、「卒業写真」をうたった。

個人的には「またこの曲か」という感じ。最近のライブでもいつもこればっか。好きじゃない。
昔は「ノーサイド」とかやってくれてたのに・・・

でも、多くの客はのりのりで、手拍子が聞かれるほど。

おいおい、しっとりバラードだよなあ。手拍子やめてくれー!

カーテンコールの曲も、芝居のどろどろ暗いイメージとは真逆の、なぜか「やさしさに包まれたなら」だったし・・・

芝居の重い余韻がどこかにふきとんじゃいました(汗)

芝居の概要


今回で3回目。

この手のエンタショーの先駆けは中島みゆき「夜会」でしょう。
ただし、違いはみゆきは芝居もするが、ユーミンは歌唱に徹するのみ。俳優陣は別。

■第一回(2012)「8月31日~夏休み最後の日」
交通事故で重傷の男のもとに元カノが呼び寄せられ、男の脳内で再開し二人の誤解をひもといていく

■第二回(2014)「あなたがいたから私がいた」
老人ホームの入所老婆の過去(戦時中)にさかのぼり、幼馴染の女友達や男友達との三角関係のすれ違いが

今回第三回(2017)「朝陽の中で微笑んで」
(出演)寺脇康文、宮澤佐江、他
(あらすじ)
時代は500年後の2517年。職を失った中年男・鳴沢肇(寺脇)は、ある容疑で警察の取調べを受けていた。鳴沢には、20年前に結婚を約束しながら、不治の病で亡くなった恋人がいた。しかし今、彼女に生き写しの女性・紗良(宮澤)が18歳を迎えていた……。折々にストーリーテラーであるユーミンが登場し、物語の世界へと誘っていく。


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舞台装置もプロジェクションマッピングを駆使し、近未来のバーチャルさを再現してます。
蓮の花のセットも輪廻転生を彷彿させていいアクセントになってました。

芝居(ストーリー)に物申す【ネタバレ注意】


【よかった点】
■ライブではかすれがちな、ユーミンの歌声が安定していて高温ものびやかだった。(近年の歌声劣化はかわいそうなくらいです)
・朝陽の中で~という高低激しい曲をよく歌い切った。

■三回の芝居の共通テーマ「時空を超えた純愛」が今回もふれていて、ブレない点

■三回の芝居の中で一番暗く重いストーリー展開だったこと(自分、根暗なもんで共感しやすかった)

■男の死んだ恋人への募る思いから、恋人の「クローン」を作るという設定。未来の課題に「クローン」は現実味があったから。

■クローン狩りのことを、「殺す」ではなくて「廃棄する」と表現していて、銀河鉄道999の「機械の体」の設定を思い出し、少年の心がきゅんとなった(笑)

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【いまいちな点】
■500年後なのに、現代じみていて、見ててしらけちゃった点
・「紙の診療カルテ」「携帯」など、ありえないかな。
・曲も「wanderer」「Love wars」「不思議な体験」の方が、未来SFチック感満載な感じがするが。このSF感と今回の純愛感のイメージは違うのかな。

■男(寺脇)とクローン女子(宮澤)が警察によって引き裂かれるシーンで、寄り添う沈黙の時間が長すぎて間延びした感が否めない。
・仕事帰りだったせいもあり、眠くなってしまったzzz
・すすり泣く客もいて、そのお決まり感にしらけ~

■刑事の息子(山田ジェームス武)が自分の母もクローンだったことを知り、号泣するシーン。
・曲の間、ずっと床にひれふして嗚咽。山田さんの演技力にはあっぱれ(よく毎回喉が持つなと)。でも、大の大人があの号泣はないなとドンびいてしまった。

■今回のテーマソング「朝陽の中で微笑んで」は静かでじんわりあたたかな中での重さというイメージを自分は持っていたのだが、演出は違った。
・クライマックスでこの曲の歌唱中、男とクローン女子がずっと叫びながら緊迫した引き裂かれるシーンだった。曲のイメージとちと違うかな。


まとめ


三部作とも、人間の内面世界に焦点をあてて、重々しいストーリー展開ばかりだったので、「恋の任侠」と称されたバブル期の曲設定で芝居しても面白いかな。

ざ・ユーミンってやつ。

例えば、丸の内のキャリアウーマンの恋模様や孤独を描くとか。
曲は、往年のヒット曲「リフレインが叫んでる」やホイチョイムービーで使われてたやつとか。

客層もバブリー世代なので、懐かしんでくれるんじゃないかな。

あるいは、ユーミンも年を重ねてこういう内面世界の芝居をつくってるんだろうから、もっと重くディープに。

たとえば、「コンパートメント」をテーマ曲にし、♪白い~ねむり薬~、とか、♪どなたか~わたしを~あわれんで~、とか。自暴自棄や自殺願望的などん底ってやつ。

もっとも、この手になると、みゆきワールドと重なってしまうかな?

三部作の中で、自分的には前回の戦時中をテーマにしたものが一番よかったかも。
特に、山場の全員が桜吹雪の中で円になって「春よ来い」を歌唱するシーンはぐっときた。

このショーは、ユーミンの曲がもつ抒情的な力を芝居で再現するという、ユーミンならではの試みだと思う。なんだかんだいいましたが、ユーミンには今後も続けてほしいですね。


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